2007年6月15日

愛の調べ

19世紀の作曲家、ロベルト・シューマンと、妻のクララの愛を描いた「愛の調べ」。初めて白黒映画を観ました。演奏自体はルービンシュタインによるものだそうで、音質からして1940〜1950年代の作品と思われました。

現代のCGによる映像美を主体とした映画とは違い、それぞれのキャラクターの役割がしっかりしていて、観ていて楽しかった(^O^)。歴史的事実に基づいた映画ですが、以下はネタバレ。

なかでも良かったのは、リストのリサイタルのシーン。リストによるシューマンの曲の編曲が派手すぎると、挑発的な態度に出たクララ。妻となり母となったクララは、あくまでも家庭を大切にした女性でしたが、それでもピアニストとしての情熱を秘めていたことが素晴らしかった。リストも、クララの評価に憤慨することなく、それでもシューマンのオペラを推しシューマンの成功の立役者となった。いかにシューマンが才能豊かでリストほどの実力者に尊敬され、またクララに愛されていたかを強調していたかと思います。

それだけ恵まれていたシューマンに訪れた悲劇がかわいそうでした。残念ながらシューマンは心の病を患い他界しますが、クララはブラームスに求婚されてもシューマンへの愛を貫き、生涯をシューマンの作品の編纂と演奏活動に費やすのです。

以前別の資料でクララとブラームスは不倫関係にあったと見たので、この結末はとても嬉しいものでした。愛だなあ〜って映画です。