2007年5月20日

本物の演奏家

昨夜近くのホテルまでジャズの演奏を聴きに行きました。知人に「いいピアニストいるよ」ってすすめられたので。

バーカウンターに座っていたので、「あの、○○さんのおすすめで来たんですけど」と声をかけると朗らかな方で「まあ座りなさい」と言っていただきました。

キミ、どこから来たの?なんて話をちょっと交したあとすぐ演奏の時間になったので、一人カウンターで演奏を聴くことに。

う〜ん、プロの演奏家はやはり違いますね〜。結構調律の狂ったピアノでしたが、そんなマイナス要素を吹き飛ばすような音を聞かせていただきました。タッチがしっかり制御されていてBGMらしく会場を飲み込むこともなく、しかし小さすぎて空振りしてしまうことなく見事にピアノと一体化した演奏ぶりでした。

さらに驚いたことに、アドリブ、テーマのどれをとっても、複雑なことはあまりしていなかったのです。速弾きなどはあまりなく、強弱の使い分けやリズムで演奏に色付けしている印象のほうが強かったのです。ふだんCDで聴くような派手な演奏よりも、ただきれいな音、心地よさにこだわった演奏でもありました。それでいてジャズファンも喜びそうなフレーズや展開がふんだんに使われていたのはサービス旺盛だからなのでしょうか。いや、気配りというよりただただ才能なのか…。

ピアニストも立派なサービス業なのでしょうね。曲をリクエストしてもらえるならまだ目標も見えやすいでしょうに、なにもない会場なら空気を読んで会場が暖まるような演奏を組み立てていかなければならないでしょうし。今日のピアニストさんはそれを見事にこなしてたように思います。

いや、本物のプロの演奏が聴けて楽しかったです。